小児科医ってこんな職業

小児科医は、他科のDr.からこう見られている!?

我々小児科医は、他科の医師からどんな風に見られているのでしょうか。時々飲み会などで他科の医師から小児科医って大変じゃないの?ということを聞かれることがあります。その時決まって話題になるのは、多くはこの2点ではないでしょうか。

・こどもは人手がかかって大変

・親への対応が難しいから大変

小児科医を語る上で、『他科の医師と小児科の違い』は大事な論点ですが、以上の2点が他科の医師との明確な違いなのかもしれません。この項では以上の2点について話していきたいと思います。

こどもは人手がかかって大変!!?

言うまでもありませんが、小児科医以外の科の医師が主に対応するのは成人の患者さんです。当たり前ですが、成人の患者さんならば多くは検査の必要性について説明すれば、十分な理解が得られ検査をすることができます。しかし、小児の場合はここが大きく異なります。情報収集は基本的に親頼みですし、診察や検査については痛みがないものであっても恐怖でご本人の協力が得られず、暴れてしまうことも多々あります。

その一例として代表的な検査としてMRI検査があります。MRI検査は、CT検査と同様に体の輪切り画像を撮ることができる画像検査です。MRI検査はCT検査に比べて被ばくしないところはメリットですが、『撮影時間が長くかかり』『大きな音がする』点がデメリットです。決して痛みは伴わない検査ですので、20-30分くらいただじっとしているだけで、被ばくすることなく検査が終了するのですが、デメリットの2点が小児の場合かなりのネックになります。基本的にじっとできないのが小児ですし、検査のために自然に寝かせようにも大きな音で起きてしまいます。安全に検査を終了させるために、点滴から睡眠薬を投与すること、薬の副作用に対応できるように心電図や体内の酸素量をモニタリングする装置をシールなどで体につけることが必要になります。検査終了後、普段どおりの意識状態まで覚醒するかどうか確認する必要もあり、一般的には一泊入院で行います。しかもこれだけ手間暇かけて準備したとしても、検査中にお子さんが起きてしまい、検査失敗!ということもざらにあります。

このように成人であれば、予定された時間に一人で検査できるところ、小児の場合たくさんの人手をかけないと、安全に必要な検査をすることができません。

小児科医は、親への対応が難しいから大変!!?

小児科医は親御さんとのコミュニケーションが、診療のある程度のウェイトを占めます。もちろん小児科医は『こどもの代弁者』ですから、常にこどもサイドにたって診療をおこなっていることはその通りなのですが、病院に悩みをもってこどもを連れてくるのはご両親です。必然的にご両親の悩んでいること、困っていることを解決することも小児科医に求められます。心配の強いご両親だけではなく、その祖父母もご一緒に来院されるケースもありますから、十分お子さんの病状がご理解頂けるまで根気よく説明することが必要です。このあたりが、他科の医師にとっては大変に映るのかもしれませんね。

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