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咳をしている子供へのハチミツ投与 その投与量とは?

前回は、コクランレビューからハチミツの咳への効果についてのシステマティックレビューをご紹介しました。

CHECK
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Twitterでも沢山の反響を頂き、細々とブログを続けている身としては本当に嬉しい限りです。

 

その中でも圧倒的に多かったのは、論文中でどれくらいの量のハチミツを子どもに与えていたのか?という質問でした。

 

今回のブログ更新では、その疑問にこたえるべく前回ご紹介したレビューで選択基準で厳選され最終的に残った論文6件に直接アクセスしてみることにしました。

6件すべてにアクセスはできませんでしたが、読めたものから「研究で子ども達に実際に投与されたハチミツの量」にフォーカスして要約してみようと思います。

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論文①

Pediatrics 2012;130(3):465‐71.

Effect of honey on nocturnal cough and sleep quality: a double‐blind, randomised, placebo‐controlled study.

Cohen HE, et al.

対象になった子供たちは、就寝時間の30分前に投与されたユーカリハチミツ、柑橘類ハチミツ、シソ科ハチミツ、またはプラセボの単回投与を受けました。

3種類のハチミツとプラセボは、イスラエルのRechovotにあるVolcani農業研究センターのZerifin Breeding Apiaryのスタッフによって準備されました。

3種類のハチミツとプラセボは、子供たちが眠りにつく30分以内に10 g投与するように指示された。

両親は、この調合品を希釈せずに、またはカフェインを含まない飲料と一緒に与えることができると指示されました。

 

https://cookpad.com/cooking_basics/6621

こちらのサイトを参照してみると

だいたい、ハチミツ大さじ1杯が22gなので、ハチミツ大さじ半分くらいが10gと考えてよいと思います。

 

論文②

Archives of Pediatrics and Adolescent Medicine 2007;161(12):1140‐6.

Effect of honey, dextromethorphan, and no treatment on nocturnal cough and sleep quality for coughing children and their parents.

Paul IM, et al.

対象となる子供たちを、年齢(2〜5歳、6〜11歳、および12〜18歳)で層別化した後、そばハチミツ群、プラセボ群、無治療群に割り当てた。

そばハチミツとプラセボは、2〜5歳の小児には8.5 mg /回(1/2小さじ)、6〜11歳の小児に17 mg /回(1小さじ)、および12〜18歳の子供には34 mg / 回(小さじ2杯)の量が与えられた。

両親は、子供たちの治療はカフェインを含まない飲料と一緒に飲んでも良いと言われており、子供たちが寝るまでの30分以内に投与するようにと指示をされた。

 

論文③

Revista Paulista de Pediatria 2016;34(4):412-7.

Use of honey associated with Ananas comosus (Bromelin) in the treatment of acute irritative cough.

Peixoto DM, et al.

対象となる子供たちは、2〜15歳の小児であった。

子供たちはハチミツとブロメリンに富む抽出物の合剤を投与される群(ブロメリン群)、ハチミツのみを投与される群(ハチミツ群)にランダムに割り振られた。何から精製されたハチミツかの詳細な記載はなし。

体重が20kgまでの子供は5mlを投与され、

体重が20kg超える場合は、体重5キロごとに1mLを追加して投与した(30kgならば、5ml+1ml+1ml=7mlという意味)。

投与前の10分間で咳の程度について定量的な評価を行い、投与30分後に10分間かけてもう一度咳の程度について定量的な評価を行い、治療効果を判定した。

 

論文④

Journal of Alternative and Complementary Medicine (New York, NY) 2010;16(7):787‐93.

A comparison of the effect of honey, dextromethorphan, and diphenhydramine on nightly cough and sleep quality in children and their parents.

Shadkam MN, et al.

24~60か月の急性上気道炎にかかっている子供たちを対象として160人を4つのグループにランダムに割り当てて行った臨床試験。

1グループがハチミツ群(Yardの村からとられた自然のハチミツ)

2グループがデキストロメトルファン(メジコン®)シロップ群

3グループがジフェンヒドラミンシロップ群

4グループは他のグループでも同様におこなわれている支持療法のみ行われた。

1-3グループのハチミツを含めた薬剤は全て量は同じく2.5mLで、眠る前に投与された。

 

アクセスできなかった論文

論文⑤

East African Medical Journal 2014;91(2):50‐6.

Randomised double blind study to compare effectiveness of honey, salbutamol and placebo in treatment of cough in children with common cold.

Waris A, et al.

論文⑥

Journal of Gorgan University of Medical Science 2013;15(2):8-13.

Comparison of the effect of honey and diphenhydramine on cough alleviation in 2‐5 year‐old children with viral upper respiratory tract infection.

Ahmadi M, et al.

この2件についてはアクセスが出来ませんでした。

 

おわりに

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こちらのレビューで使用されていた論文から、実際に研究で子供たちに投与されていたハチミツの量について概説してみました。

研究によって対象となっている子供たちの年齢も異なるので、参考になるのではないでしょうか。

今回は以上となります。

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