勉強論

医学部受験生のやる気を維持するために 目標設定のコツ

 

こんにちわ、アシュアです。もう年末も目の前ですね。なにかと忙しい12月、体調を崩さないように頑張りたいですね。

今回は、ここでは『医学部受験生のやる気を維持するために 目標設定のコツ』と題して、受験成功のために目標設定がいかに重要かという点について書いていきたいと思います。

さて、受験生の皆さんには、色々な目標があると思います。ぱっと考え付く中でも

・医学部に入りたい

・東大・京大に入りたい

・慶応ボーイになりたい

・とりあえず家にお金がないから国公立大学ならどこでもいいけど入りたい

・親が勧めるからどこでもいいけど薬学部に入りたい

・有名大学に入って合コンしまくりたい

などなど…

明確なものから、ちょっと不埒なものまで、色々な目標があると思います。医学部だけではなく、受験を成功させるためには当たり前のことですが、目標設定が重要です。そして目標設定にはコツがあるのをご存知でしょうか。一緒に見ていきましょう。

 

人はゴールがないことは頑張れない

  • マラソンは、競技者が195kmを走る速さを競う競技です。

なんで突然当たり前のことを言ってるのか、アシュアはついに疲れて壊れちゃったのかな?なんて思わないでください。まあまあお付き合い下さい。じゃあ次にこんなのはどうでしょう。

全く同じ能力を持ったマラソン選手2人A、Bがいると仮定して42.195kmを走らせます。

・Aには42.195kmを走ることを伝えます

・Bには何km走るかを伝えません

どちらの方が42.195kmを早く走ることが出来るでしょうか。

想像でしかないですけれど、おそらくAの方が早く走りきることが出来るでしょう

Aは何km走るか分かっているので、ペース配分をすることができますしラストスパートをかけることもできます。

逆にBは何km走るか分かっていないので、どんなスピードで走っていたら良いのかわかりませんし、どこで頑張ったらよいかもわからないでしょう。

私は、これと同じ現象が受験でも起こっているのではないかと思っています。

例えば、

全く同じ能力をもったA、Bがいて同じレベルの学部を受験します。

・Aは○○大学の△学部に入りたいと思っている。

・Bはどこかの大学の何かの学部に入りたいと思っている。

どちらの方が合格する確率が高いでしょうか。

という文章になるでしょうか。

いやいや私はすでに、この大学のこの学部に入りたいって学校の面談で言いましたよ!お父さん・お母さんと相談してここに決めましたよ!受験生のそんな声や、

うちの子はこの大学のこの学部を目指しているっていってたわ、という親御さんの声が聞こえてきそうですね。

本当ですか?本当に、心の底からその大学のその学部に入りたいんですか?

受験生の皆さんはまずは自分の本当の本心と向き合ってその点を確認してみましょう。

受験生の親御さんは、ご自身のお子さんに『本心でその大学のその学部に行きたいと思っているか』を確認してみましょう。

この『本心でこの大学のこの学部に入りたいと思っているか』は、非常に大事な点です

なぜなら、本心で思っている人はまず行動が変わってきます。例えば、本心で○大学の□学部に入りたい人は、その大学の入学に必要なセンター試験のレベルや、二次試験の傾向や内容を、早いうちから検討しはじめるでしょう。目標が明確だと、自然と目指すべき到達点が明確になります。逆に目標がはっきりしていない人は、バリバリと勉強はできませんよね。どこまで行けばいいかがわからないのですから。

ですから受験生をお子さんに持つお父さん・お母さんにお話したいことは、親の期待や親の勧めで進路を決めたりしないで、ご自身のお子さんが自分で自分の目標を決めるのを手伝ってあげてほしいということです。受験生のみなさんには、親の顔色を見ないで自分で自分の目標を決めましょうとお伝えしたいです。

自分の本心と向き合って、自分で自分の進む道を決めることが、目標に自力で向かう力を生み出す、まず第一の原動力になります。

実際、自分が高校3年生のときは、両親からの期待もあり医学部を考えていましたが、あまり本心で医学部に行きたいと思っていなかったというか、むしろ行けるわけがないと思っていた節があります。結局現役の時は、勉強にも身が入らず時間が過ぎ、結果センター試験の成績は低く、適当に選んだ薬学部を受験して見事に全て不合格という結果でした。今思えば、自分が現役の時は自分が『目標がふわふわしていて、さらに自分の現状も把握できていない子供』だったために、受験に失敗のだ、と強く思いますね。

目標がしっかりしている受験生は良し!もっと具体的な目標にできるように調べてみても良いでしょう。実は本心から今の志望大学を選んでなかった受験生は、本心とまずは向き合って新たに目標を設定する努力をすることをお勧めします。なかなか○○大学の△学部!という明確な目標を持つのは、それはそれで困難ですので、まずはこれを勉強したい!という学部を決めるのが良いかもしれませんね。

 

ゴールがあっても、現時点が分からないと頑張れない

また、目標が明確でも、自らの立ち位置がわかっていないと、これも同様に頑張れません

またA、Bに登場してもらいましょう。

全く同じ能力をもったA、Bがいます。100階建ての家をてっぺんまでのぼる競争です。

・Aは100階建ての家の今50階にいることがわかっています

・Bは100階建ての家の今50階にいるのですが、本人は自分が何階にいるか知りません。

100階に到達するのが早いのはA、Bどちらでしょうか。

これも同様におそらくAが早いと思われます

受験勉強に状況を合わせれば、目標となるセンター試験、二次試験のレベル・内容は知っているけれども、自分がどれだけ試験で点数がとれるかがわからない、といった状況がBですね。

分かるというのは、分けるという意味でもあります。

自分が受験の科目について、どの科目はどのくらいできるのか。

どこまでわかっていて、どこからはわからないのか。

または、どこは得意だけれど、どこが苦手なのか。

これをしっかりと見つめること、自分自身を分析できるかどうかということ、これがとても大事です。

自分自身を冷静に分析することは、大変な苦痛を伴います。誰しも自分の弱点を認めること、評価することは辛いですよね。でも、まずは自分と向き合いましょう。何ができないかがわかれば、次に自分が何をしたらいいかが分かってきます。

受験勉強とは、出来ない事を把握して、それに対策を立てて勉強して、また自分を再評価して…の繰り返しとも言えます。

 

最終的な目標は高く建てて、しっかり憧れよう

『その人が夢を達成できるかどうかは、夢を抱いた時のはじめの気持ちがどのくらい強烈かにかかっている』

この言葉は、私が中学生だった時に母校を卒業した先輩から聞いた言葉です。私の中学校で、夢をつかんだ卒業生が講演をする機会があり、たしかある劇団で俳優として働いている先輩からの話だったように記憶しています。細かい話の内容はほぼ覚えていませんが、この言葉は自分の中にずっと残っていて、浪人生活中でも時々思い出すようにしていました

浪人生活も山あり谷ありですから、成績が上手く上がらない時期ももちろんあります。そうすると、精神的に病んできますが、落ち込んでいる時間はありません。そういった時に、自分が医者になると志した時のこと、絶対医学部に入ってやるんだと強く誓ったときのことをなるべく明確に思い出すんですね。そうするとフレッシュなやる気に満ちていた自分を再び思い出すことが出来、モヤモヤしていた気持ちを吹き飛ばして、また勉強に身が入る・・・。

少なくとも自分は、へこみそうになった時には、こうやって夢を抱いた時の気持ちを思い出すようにしてメンタルコントロールをしていました。

いわゆる『初心にかえる』ということなのですが、「現在の状況」と「ゴール」を比較して卑屈な気持ちにならないことが大事です。つまり、『医者になりたいってあの時強く思ったけど、実際今の成績じゃ無理だろこれ、、、』とか『どうせ医者なんかなれないのに、あの時よくまあ医学部絶対入るとか言ったよなぁ』というような思い出し方はしちゃいけないということです。

上手く初心にかえるコツは、『憧れた気持ちだけ思い出すようにする』ことです。医者になることに強く憧れた、医学部に強く憧れたという気持ちは+のエネルギーを持っていますから、その時だけ思い返すことができれば…、ほら再びあなたの中にはやる気の炎が灯っているはずです。

 

憧れを維持するだけじゃない、作り出すやり方もあり

色々書いてきましたが、こんな意見もあると思います。

「たしかに自分は医学部に入りたいっておもってるけど、そんなにでっかい憧れとか、思いがあるわけじゃないんだよな…、そういう人はどうしたらいいんだろう」

実際、色々偉そうなことを言っているアシュアですが、浪人のはじめは医学部に入学することに関してそれほど強い思いや憧れがあったわけではありません(エーッ!!まじか!という声が聞こえてきそうですが…)。

小さい頃に死にかけて小児科医に助けてもらった、人格的にもその先生に憧れて、俺は絶対に小児科医になる!みたいな人は、まぁそんなに多くはありませんよね。

でも、モチベーション高く勉強を続けるためには、初心を強く持ち、維持できた方が絶対有利です。アシュアはどうやって気持ちを維持していたのか…それは、医者になりたい!という憧れを『作り出す』努力もしていたという話です。

具体的には、受験勉強の合間に、インターネットなどで『有名なお医者さんの講演会』とかを探して聞きに行くということを、複数回していました。実際の医療現場の話や感動秘話を、直接現役の医師から聞くことで、アシュアの『医師になりたい!という憧れ』はどんどん強化されていったことを覚えています。もちろん強化された初心の思いは、実際の勉強への意欲にしっかり変換されていました。

また、目標の大学が決まっていて明確ならば、その大学の『オープンキャンパス』に行ってみるのもよいと思います

オープンキャンパスは、大学が新入生の入学促進のために行っているイベントでで、主に下記のようなイベントが計画されていることが多いです。

・大学のトップ(総長・学長など)または学部のトップの講演

・在学生や教職員による大学施設の見学ツアーや学部などの説明、模擬授業(講義)

・その大学で学べる学問内容、取得可能資格、入試制度、大学生活などについての個別相談・質問受け付け

・大学案内や試験要綱などの資料の配布(通称「赤本」と呼ばれる1年前の入試問題集も配布されるところもある)

・大学図書館の公開

実際に目標にしている大学の雰囲気であったり、そこに通っている在学生とのコミュニケーションも取れるので、『初心の憧れ』を思い出したり、より強化したりすることが出来るかもしれません。

さらには、在学生との良い出会いもあるかもしれません。例えば、医学部なら先輩医大生に『どうして医者を目指したか』とか『どうしてこの大学にしたか』とか聞いてみるのもいいでしょう。そこで直に回答してもらったことは、受験生の皆さんのやる気のカンフル剤になるだけではなく、受験の面接で使えるような『ほかの受験生にない生の体験』かもしれませんよ。

オープンキャンパス、実際には貴重な受験勉強の時間を割くのが嫌だなぁとか、風邪もらったらどうすんだよ・・・みたいな意見もあるかと思います。でも、『大学を見に行く』『学部の見学をする』『在学生に会う』これらのリアルさは、何にも代えがたい、本やインターネットで得られない経験だと思います。

日本の首相やアメリカ合衆国の大統領ですら、忙しい時間を割いて『直接に会う』=『首脳会談』を大事にしています。それは、ニュースを見ていても自明ですよね。インターネットが発達した現代においても、人と人が出会うことはとっても大事なことだと、私は思います。

 

まとめ

・まず明確な目標を立てよう

・現状の自分のレベルを明確に把握しよう

・最終的な目標は高く、目標にしっかり憧れよう

・目標に対する憧れが大きくなければ、作り出すこともオススメ

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