勉強論

国公立大学医学部に入学するための勉強法 ~弱点の克服のために~

 

こんにちは、アシュアです。そろそろ年末の足音も聞こえてくる時期ですね。社会人の方は何かと忙しい時期、受験生にとっては追い込みの時期、そして受験生を抱えるご家庭では風邪、胃腸炎、インフルエンザと何かと心配の尽きない時期かと思います。今回は、自分の浪人時代を振り返って行っていた勉強法、その名も『弱点ノート』について語りたいと思います。自分の浪人時代の成功のカギとなったと言っても過言ではないこの勉強法は、おそらく色んな人に役立つのではないでしょうか。

はじめからご覧になりたい方はこちらもどうぞ。

国公立大学医学部に入学するための勉強法 受験失敗編

 

勉強のやり方の勉強が大事 ~弱点ノートにたどり着くまで~

弱点ノートとは、その名の通り、自分の弱点について記載するノートです。そのまんまやないか!という声が上がると思いますが、まさにそのまんまです(笑) しかし、弱点ノートについては誰かに教えてもらったテクニックではなく、自分で思いついた受験テクニックの一つです(ただ、同じようなことを思いついた人は他にもたくさんいるでしょうが・・・)。

いわゆる受験勉強では限られた時間(浪人であれば受験失敗から次回の受験までの1年間ですね)を、どれだけ有効に使えるかが勝負です。ネットゲームでいう所の効率厨になる必要があります。しかし、この『限られた時間で知識を頭の中にぶち込む』テクニックは、医学部に入学してからも絶対に役立ちます。というより『限られた時間である程度の量の知識を頭にぶち込めない』人は医者になる勉強に耐えられません。医学部の偏差値が高い理由の一つはまさにここにあります。受験である程度の得点がとれる=決められた時間で決められた知識を習得できる能力がある、と評価されていると言い換えてもいいかもしれません。

効率よく勉強できる人でなければ医者になることはできません。医学部に入学して思いましたが、医学部に入学してきた連中は頭はもちろんいいですが、とにかく時間の使い方が上手いです。みんなもちろん授業や試験はしっかりパスしていくのですが、実はみんながみんな授業に毎回確実に参加して、課題もしっかり提出して、試験も高得点をとって、、という人ばかりではありません。どちらかというと授業も試験もある程度は手を抜くけれども、決めるところはバッチリ決めて効率よくクリアしていく。空いた時間でバイトをしたり、部活をしたり、合コンしたりという人間の方が多いように思いました(私はどちらかというと、自分のスペックを最大限使って、ヒィヒィ言いながら課題をクリアしてきた人間ですが…)。

話がずれましたが、浪人時代には私は、『受験勉強をする』のはもちろんですが、『どうやったらより効率よく成績が上がる=知識を頭に入れることができるか』も同じくらい重要に考えていました。自分が浪人生活で得た経験則の一つとして『予習・講義よりも、、復習は間違いなく学習効果が高い』ことが挙げられます(ここでいう学習効果は記憶に残りやすいという意味です)。とは言え、全ての講義の復習をしていくことはなかなか難しいわけで色々と考えた結果、その中でこれはやっておくべきというポイントを発見しました。それは『予備校の模試の復習』です。

予備校はもちろん予備校生が試験で良い得点をとって、いい大学に入学することを目指しています。これは良心で行っているわけではありません。予備校生が沢山レベルの高い大学に入学すれば、来年以降の受講生がさらに増えて、予備校としてお金が儲かるからです。お金儲けのためだけれど、逆にお金儲けだからこそ、予備校は本気で予備校生が試験で点が取れるように受験を研究し、講義を作り、模試を作っているわけです。その中で作成された模試は、センター試験で得点につながるエッセンスが凝縮されています。効率よく勉強しようとすると、試験のエッセンスが凝縮された模試で自分が得点できなかった点を重点的に強化したほうが良いというのは、わかりやすい方法論ですよね。そういう点から、自分は模試の復習は大事にしていたわけですが、より効率よく学習効果がある方法を模索する中で、ある時ふとこんなことに気づきました。

『模試で間違えたところを記録しておいて、試験の直前に役立てる方法って最強かもしれない・・・』

そこで考えだしたのが、アシュア流弱点ノートです。

 

『アシュア流弱点ノート』の作成方法

 弱点ノート、興味が出てきましたよね~そうでしょう、そうでしょう(笑) ここからは実際の弱点ノートの作成方法を書いていこうと思います。

 

模試で『間違えた所』、『得点できたけど知識として怪しかった所』、『得点できたけど実は全くわかってなかった所』の要点を抜き出す オレンジ黄色で色分け

まず、要点を抜き出す作業がトレーニングになります。何のトレーニングになるかというと間違った場所を分析するトレーニングです。

模試で間違えた場所は=自分に不足しているポイントです。

「間違えてマジへこむ…」といったマイナスの感情は捨てましょう。「ここを間違えたってことは、ここを修正すれば次は点がとれる!」と考えましょう。受験のためのメンタルトレーニングのところでも書いていますが、余計なマイナス感情を捨てて見方が変えられることも大事な能力です。普段の勉強のその時にメンタルも鍛えてしまいましょう。

受験のためのメンタル管理についてはこちらを参照ください。

国公立大学医学部に入学するための勉強法 過ごし方 不安への対処編

なぜ間違えたか、何がわかっていなかったか、何が不足していたかを分析する

設問を間違える、ことに関しては色んな原因があると思います。

・設問を読み間違えた

・この部分の単語の意味が分からなかった

・この公式を使うのは分かっていたのに思い出せなかった

などなど

その原因を分析し、実際に文章にしましょう。この「なぜ得点できなかったか」を突き詰める作業は、なんとなく時間の無駄のような気がします。他の勉強をやった方が得じゃない?なんて思うかもしれませんが、実はめちゃくちゃ大切です。なぜなら、なぜ間違えたかわからないと次の対策が練れないからです。対策が練れなければ、また、あなたは同じポイントで間違いをするでしょう。私の人生哲学の中の大事な言葉として「具体的に行動すると、具体的に結果がでる」という言葉があります。これは自分の父親から学んだことですが、この『具体的に』というのが肝です。なぜできなかったかに対し、具体的な原因が見えていれば、それに具体的な対策を打てばいいんです。それだけで結果は自ずとついてきます。

さらに、得点できたけど知識として怪しかった所、得点できたけど実は全くわかってなくて偶然当たってしまった場所も、要注意です。次の模試や実際の試験ではその設問は「得点できないかもしれません」。十分分析しましょう。

 

『具体的に』対策を考える

ここまで真剣に取り組んでいれば、あとは簡単です。対策を考えるだけです。

公式が覚えられていなかった ⇒ 今覚えましょう

単語の意味が分からなかった ⇒ 今調べましょう

設問の意味が分からなかった ⇒ 答えを読んで理解しましょう

設問を読み間違えた ⇒ メンタルの問題かもしれませんし、コンディションの問題化も知れませんね。生活を見直しましょう。

間違えた原因が判明していれば、対策はほら、明瞭でしょう?立てた対策方法を噛みしめることで、次にあなたが同じような問題を前にしたとき、同じような間違いをする確率が確実に減少します。

 

チェックボックスを作っておく

最後にチェックボックスを立てておきましょう

また、弱点ノートは教科ごとに整理しておくのをお勧めします。

 

『アシュア流弱点ノート』の利用方法

<その1>模試の前の復習に利用

弱点ノートは模試の前に、一通り確認しておきましょう。そうすることで、前間違えた点を模試の時に回避することが出来るだけでなく、「間違えたところを一通り復習した」というメンタル面でのプラス効果も期待できます。さらに、模試のあとは、新たな間違いポイントを弱点ノートに記載していきましょう。どんどんあなただけの弱点ノートが出来上がってきます。

繰り返し間違えてしまうポイントもあるでしょう。その点は、超重要ポイントです。なぜなら、『予備校が大事と思って繰り返し出題しているのに、あなたが繰り返し間違えたポイント』だからです。そんなときは、あらかじめ作ってあったチェックボックスに印をつけましょう。あとで必ず役に立ちます。

<その2>中、長期的な戦略に利用しよう

ある程度弱点ノートを作ってくると、ある事実に気づきます。この教科の弱点だけ多いなーとか、この教科のこの領域で弱点ノートの記載が多いなー、という点です。そうです、その教科、その領域は、あなたの弱点領域です。中長期的な勉強の計画を立てるとき、自分の弱点を分析して効率よく時間を当てていくことが大事ですが、その分析に役立ちます。模試の結果でも似たような分析はしてくれると思いますが、弱点ノートを自分で作ることで、「自分で自分を分析すること」「その分析結果を自分で利用すること」ができます。この経験は、成績アップを狙えるだけではなく、受験生活のその後の人生にも大きく役立つと思います。

<その3>受験本番の2-3週間前の過ごし方に弱点ノートを

受験2-3週間前、、、考えただけでも怖いですが、色々な不安が出てくる時期ですよね。そんなときに弱点ノートの最後の確認をしましょう。真面目に弱点ノートを作っていれば、あなたが間違えやすいポイントや、繰り返し間違えてきた所がわかりやすくなっているはずです(チェックボックスに印が沢山あるポイントのことですね)。そこを受験本番の2-3週間前に確認しながら過ごしてください。

弱点ノートを真面目に作れば作っただけ、最後に復習した時に「自分は弱点を全てつぶして受験に臨んでいる」という実感が生まれます。この実感は、受験本番でわからない問題がでたときにも「これはやってきてないから間違えても仕方ない、他でしっかり得点しよう」という良い思考を生む働きをすると思います。

 

まとめ

・受験勉強を成功させるためには、勉強方法の勉強が重要である

・効率よく復習するためには、模試を使いましょう。

・弱点ノートを作って、自分の弱点の把握、分析、対策づくりに役立てよう。

・弱点ノートを利用すれば、中長期的な勉強計画に役立てたり、メンタルコントロールも可能です。

 

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